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研修医時代
私は、卒業してすぐに大学病院の口腔外科に入局し、入院病棟に配属され、
おもな仕事は、教授や助教授の悪性・良性腫瘍、顎切り、インプラントなどさまざまなオペのアシスタントや、入院している患者様の消毒や点滴でした。
最近、インプラントのオペが終わった後に、ふと当時のことを思い出しました。
当時、83歳くらいだったと思いますが、男性で全顎のインプラント治療を希望する患者でした。
年齢とあまりにも骨が少なすぎるので、教授は何回も断ったのですが、患者のどうしてもやりたいという熱意に負け、オペを施行しました。
全身麻酔下で、腰の骨を移植する、インプラントにしては大手術でした。
手術から三日めの夜に、私が点滴をしに病室に行った時、
「死ぬまでに、おもいっきり肉を噛んで食べたいんだ。」
と患者さんが言っていたのが今でも耳に残っています。
研修医だった私は、素人まるだしで、歯ってないと困るんだな~と強く感じました。
その後、その患者さんがどうなったかはわからないので、大学に残っている後輩に聞いてみようと思います。