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再生療法について
こんにちは
先日、当院で再生療法のオペを行いました
歯周病に罹患した為に、骨の吸収を伴った患者さんで
このままですと、遅かれ早かれ抜歯になってしまうため、
再生療法により、歯周組織の再生を期待してのオペでした
組織は、細胞と成長因子と足場となるマトリックスによって再生されます
色々な成長因子(豚の歯由来や人の血液由来)があり
色々なマトリックス(人由来や牛由来、サンゴ由来まで)がありますが
歯周病による骨欠損と歯肉退縮の治療を目的として開発された、新しい世代の再生治療材料を使用しました
以前までは、日本で主流の再生療法の材料を使用してましたが、
期待通りの再生を得られないこともあり『こんなものなのかな...』と思ってましたが
2008年にミシガン大学において、より高い成功を導くための使用方法を教わっており
昨年、私がこの材料を使用した患者さんの予後が良いこともあり
今回のオペの時に使用する事を患者さんと話し合って決めました
どのような材料なのかと言いますと(マニアックな話ですが)
通常、人間の血小板には、多くの成長因子がふくまれるため、再生療法の分野では注目されていました
簡単に言えば、血小板が多くあれば、その中にある成長因子の量も当然多くなり
組織再生もしやすくなるというしくみです(単純に言い過ぎですが)
さて、今回の材料に含まれている成長因子は以前、日本でも流行ったPRPと言うもの(通常血液の338%〜830%の血小板を含む)
このPRPに含まれている成長因子PDGFの量が1000倍以と言う、rhPDGF(血小板由来増殖因子)と
マトリックスとして、生体内で吸収されるバイオセラミックスを混ぜて使うものです
利点として、100%人工合成材料のため病気をもらうリスクがないこと
そして、高い再生率があるため使用しました
後は術後の感染に気をつけて、組織再生してくれることを祈るだけです
今までは、歯周病等により歯と骨の保存が難しい症例も
再生療法という、新しい選択肢により、残せる場合も出てきました
もちろん、すべての症例に適応できわけではありませんが
今までならば、残す事が出来なかった症例も、
メンテナンスによる現状維持だけで、根本的な治療が出来なかった症例も
より良い予後をむかえられる可能性が出てきました
興味がある方は、スタッフや担当医までお尋ね下さい