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痛みの伝わり方

ごく初期のむし歯は痛まないのに、むし歯が進むと痛くなってくるのはなぜでしょうか?
歯の痛みやむし歯の進み方は顕微鏡レベルで見た歯の構造と深い関係があります。
歯の一番外側をおおっているエナメル質は、成分の97%がハイドロキシアパタイトというリン酸カルシウムの結晶でできています。
顕微鏡で見てみると、ちょうど六角形の鉛筆のようなハイドロキシアパタイトの長細い結晶がぎっしり並んでいます。
この結晶は、歯ができる過程で、エナメル質を作る細胞が、少しずつ積み上げるようにつくったものです。
ところが、エナメル質を作る細胞は、歯が完成すると死んでしまうので、エナメル質自体は、爪や髪の毛と同様に、傷ついても痛みを感じることがありません。

エナメル質の内部にある象牙質はハイドロキシアパタイトを70%含む、エナメル質よりも少し柔らかい組織です。象牙質もエナメル質と同じように細長い構造をしているのですが、エナメル質と違って、断面は丸くしかもストローのように真ん中に穴が空います。
この穴の中には歯ができあがった後でも、生きた象牙質の細胞の一部が入りこんでいます。
つまり、象牙質は生きた組織で、冷たさなどに反応し、痛みのサインを出して、私たちに歯の病気の進行を教えてくれているのです。


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