スタッフブログ
妊産婦さんの抜歯について。
今回は妊産婦さんの治療について、特に、抜歯に関しての話をしたいと思います。
特に注意すべきは、①診断用放射線による被曝(レントゲン写真)、②局所麻酔、③術後(抜歯後)の投薬、④授乳中の投薬などです。
①診断用放射線による被曝(レントゲン写真)・・・エックス線写真撮影における被曝では、胎児に対する影響はほとんどないに等しいほど軽度と考えられるが、妊産婦に限らず放射線被曝はその有用性が危険性を上回る場合のみに行われる。
②局所麻酔・・・麻酔薬の添付文書によると、''妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。''と記載されている。
③術後(抜歯後)の投薬・・・胎児への影響を考えると、副作用の観点から、投薬が望ましくない薬剤もある。また、投与量や投薬期間にも十分注意が必要である。
④授乳中の投薬・・・ほとんどの薬剤は内服してから血液に取り込まれ、その一部が母乳へ移行します。しかし、乳汁中濃度は内服した量の1%以内と言われています。しかし、ほんのわずかな量でもアレルギーを起こす可能性が全くないとは言い切れないので、大事を取るのであれば内服中は一時的に授乳を中断する必要があります。
いずれの点に関しても、影響としては低いもの、ほとんどないという報告もありますが、治療が必要な場合は、慎重に判断して患者さんとの相談の上、決定することが望ましいです。
クリーニング及び歯周病対策の必要性
みなさん、こんにちは。
今日は、タイトルの通り、何故歯のクリーニングが必要なのか?そして歯周病とどのような関連性があるのか簡潔ながら説明していきます。
まず、むし歯にしても歯周病にしても大元の原因は食事時の『食べかす』です。
そして歯ブラシをおろそかにしてしまうと歯の表面に『歯垢』が付着していきます。この『歯垢』とは、細菌の集合体の事です。
そして、この『歯垢』が、『①毒素』と『②乳酸』を発します。
まず『①毒素』から説明していくと、この毒素は歯肉に炎症を引き起こします。これを『歯肉炎』といいます。本来、歯の周りには歯周繊維を介在して骨が存在します。その骨の上を歯肉が覆っています。
そして、『歯肉炎』が引き起こされると、歯肉下の骨に影響を引き起こし、『骨吸収』を生じます。そしてこの骨吸収こそが『歯周病(歯周炎)』であります。よく、歯周病とは歯肉の病気と思っていらっしゃる方も多いとは思いますが実際は歯周病は骨の病気であり、歯周病が進行すると周りの骨が無くなっていくために歯の動揺が起こり、最悪な場合、歯を抜かないといけないこともあります。
次に『②乳酸』について説明していきます。『乳酸』はわかりやすくいうと酸であり歯の表面である『エナメル質』を溶かします。これを『脱灰』と言います。
溶かされた歯は細菌が付着しやすく最近にとって好環境になるためそれにより『むし歯』を引き起こします。
上記より、むし歯、歯周病を予防するためにもクリーニングが必要であり、また歯周病対策が必要になってくるのです。
また、今発表されている論文では、動脈硬化の原因として歯周病細菌も含まれていると記されています。動脈硬化が引き起こると、脳梗塞や心筋梗塞へと繋がっていきます。
このように、クリーニングをしっかりとして歯周病予防もすることで、歯だけでなく全身管理にもつながるので私たちと一緒にお口の環境、そして全身管理も含めて予防対策をしていきましょう。
歯科医師 寺田
『食べかす』
⇓
『歯垢』
⇙⇘
『毒素』 『乳酸』
⇓ ⇓
『歯肉炎』 『エナメル質』
⇓ ⇓
『骨吸収』 『脱灰』
⇓ ⇓
『歯周病(歯周炎』 『むし歯』
レーザー治療
歯科医学の進歩とともに、治療器具や材料も日々進歩し続けています。
レーザーは皮膚科や美容外科では随分以前から使われていて、歯科でも色々な治療に応用されています。
今回は期間限定で当院でも使用してるので、ご紹介させて頂きます。
レーザーはどんな治療に有効なのか?
①口内炎・口角炎
1~2回のレーザー照射でほぼ完治します。
②歯ぐきの腫れ
ほとんど麻酔を使わずにレーザーの照射で消炎し腫れを抑えます。(普通の治療では麻酔して切開)
③歯周病
レーザーで歯茎を切り膿を出すとともに、殺菌効果により治りを早くすることが可能。止血効果にも優れており、処置後の縫合がいらない場合もあります。
④歯茎の黒ずみ
メラニン色素により黒ずんだ歯茎をレーザーによって除去します。数日~1週間くらいできれいな歯茎によみがえります。(個人差があります)
⑤その他
疾患部の炎症と痛みを和らげたりむし歯の予防や治療にも役立ちます。
あくまでも治療の補助的役割なのでレーザーを使用したことにより特別高い料金を頂くことはありません。
治療効果や苦痛の程度においては従来の治療法より優れたところが多々あり、誰もが安心して受けれる治療方法です。
歯周病の進行
みなさま、こんにちは。
毎日蒸し暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?
今回は歯周病の進行についてです。
歯周病は、誰でも発症する危険性があり、長い年月をかけて徐々に悪化していく厄介な病気ですが、
進行しやすい人と、そうでない人がいます。
それには様々な要因が関わってきます。
その要因の一つには歯ぎしり・噛み締め癖があります。
歯肉に炎症を起こしている歯に、「歯ぎしり」や「噛み締め」などの強い力が加わって、
歯周病が悪化するケースがあります。
過度の圧力が持続的にかかると、歯膜根(歯と骨をつなぐ組織)がその力に耐えられなくなって破壊され、
歯槽骨にも影響がおよび、歯が揺れてきます。
また、歯ぎしりや噛み癖以外にも、「年齢とともに歯がすり減ること」、「歯が抜けたままにしておくこと」、
「左右どちらか片側だけで噛む癖」なども、歯への負担を生じさせ、歯周病が進行する原因にもなります。
他にも、タバコを吸う人は吸わない人に比べて歯周病にかかる確率が5倍以上高いという研究報告もあり、
歯周病の進行には日頃の生活習慣が深くかかわっているともいえます。
もし、朝起きた時にあごが痛い、重い、むし歯でないのに歯がしみる、歯が揺れてきたなどの症状があれば、
噛み合せによる歯周病の進行が起こっているかもしれません。
気になる症状がある方は、早めに歯科医院にかかられることをおすすめします。
当院でも、歯周病のチェック・治療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
親知らずについて
本日は親知らずについてです。
親知らずは第三大臼歯の事で、前歯から数えて8番目の歯の事です。
18歳か以降ごろから何らかの問題を引き起こすことが多く、抜歯せざるを得ないケースも多い歯です。
親知らずが生えてきて、気になる方もいらっしゃると思いますが、
すべての親知らずにおいて必ず抜歯しなければいけないということはございません。
例えば、【まっすぐ生えていて上下でしっかりとかみ合っている親知らず】です。
きちんと磨けていて、健康な親知らずであればそのままにしておいて大丈夫です。
ただ、一番奥の歯ということで磨きにくく
親知らずとその手前の歯がむし歯になってしまったり、
斜めに生えていることで隣の歯を圧迫している場合、
また、歯ぐきがかぶっていて繰り返し腫れてしまう場合には
抜歯することをお勧めしています。
子供のころからやわらかいものを食べることが多くなった現代の食事では
顎が発達せず、親知らずが十分に生えきらなかったり、
斜めや横に向かって生えてしまうことが多く様々なトラブルを引き起こす原因になっています。
トラブルの起きやすい親知らずの場合は歯科医師との十分な相談のうえで、抜歯を考えた方が良いでしょう。
何か気になるご症状がございましたらいつでもご相談ください。
赤ちゃんのお口
産まれたばかりの赤ちゃんには虫歯菌(ミュータンス菌)がほとんど見当たりません。
ミュータンス菌が登場する時期は、離乳食が始まる時期から乳歯20本が生えそろう3歳直前までと言われています。
実は、赤ちゃんを可愛いと思いとる大人の行為からうつることもあります。
離乳食の温度もなめて確かめていませんか?
固い食べ物を少し噛んでからあげたことはありませんか?
口の中の食べ物を口移しであげたことはありませんか?
これらの行為がすべて、赤ちゃんの口をミュータンス菌で汚染していることになるのです。
大人の口の中にはミュータンス菌を始め、常時300~500種類の細菌が存在しています。
それらの一部が少しでも口移しで移動したとしたら、あっという間に赤ちゃんの口の中で生息し始めるのです。
感染を予防するためには、以下のことに気をつけて下さい。
・家族が、使ったスプーンや箸を子供の口に入れない
・大人が噛み砕いた食べ物を離乳食としない
・哺乳瓶やミルクなどの温度を確かめるために口に含まない
・赤ちゃんの手や口を舐めない
赤ちゃんが2歳頃までに感染せずにいられたら、永久歯が虫歯になるリスクは十分の一以下に減るという説もあります。
むし歯のない状態で大人になれるよう、家族の皆さんでぜひ意識してあげてください。
何かご質問やご心配な点があればいつでもご連絡ください。