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難しい抜歯について。
どれが難しい抜歯なのか?この問いに対する答えは複数あると思います。その理由としては、術者による技術の差もありますし、患者さんの捉え方も千差万別ですので、どれが正解かは一概には言えないからです。
そこで、ここでは難しい抜歯になる可能性がある歯に関してお話していきます。
①歯根肥大・・・歯の根っこが大きく膨らんでいる場合は、それを包み込む周りの骨も多くなり、引っかかってしまい抜歯が難しくなることがあります。
②歯根湾曲歯・・・骨に引っかかりやすく、難しくなる事が多いです。
③歯根離開が大きい歯・・・歯の股が広がっているもので、これも引っかかりやすいので、歯を分割して抜くことが多いです。
④癒着歯、癒合歯、奇形歯・・・歯の形が異常なものや、周りの骨と歯がくっついているもの(癒着)も難しいです。
⑤転位歯、捻転歯、傾斜歯・・・歯の位置が異常なものです。抜歯が難しくなることもあります。
⑥歯根破折・・・抜歯中に予期せず破折してしまうこともあります。これも、難易度があがってしまいます。
⑦齲蝕の放置・・・齲蝕(むし歯)を放置しておくと、歯が軟らかくなってしまうので、力が伝えづらく抜歯が難しくなります。
⑧埋伏歯・・・親知らずなどで、歯が埋まっているものは、周りの骨を削ったり、歯の分割も必要になることが多いです。
⑨健康な歯の抜歯・・・矯正のための抜歯などです。健康なので骨の中にガチっと埋まっている為、難しいことが多いです。
極力は抜歯をせずに治療を進めていく事は大事なことだと考えます。
しかし、抜くべき歯を抜かないで放置して、重症な感染症に移行してしまうことは避けなければいけません。抜歯が治療の第一選択にもなり得るということです。
しっかりとした診断と、患者さんと意思疎通、相談しながら、最適な治療を進めていけるよう心掛けておりますので、ご相談頂ければと思います。